惡寒 · Cold Intolerance
熱がないにもかかわらず、悪寒や寒さへの敏感さが続く場合に、まず確認すべき原因(感染症、甲状腺、貧血、血管の問題など)と、診察で確認する項目についてご案内します。
まず確認すること
症状が始まった時期や悪化する状況、併せて現れる不快感を確認します。
併せて区分すること
似ている疾患や既存の検査結果を照らし合わせ、可能性を絞り込みます。
このページで確認すること
主要な様相と鑑別基準、診察での確認手順まで順にご案内します。
一般検査では、感染症・甲状腺・貧血などの血液検査数値を参照します。この症状は、陽気(陽氣)や衛気(衛氣)の不足により、体を温める力が弱まった体質である可能性があり、これを「弁証」によって診断します。
韓国医学の診断は、病院の検査とは異なる視点から診ます。どちらが優れているということではなく、異なる観点です。
重要情報をひと目で確認
- 腎陽虚・脾陽虚・気虚・営衛不和の4つの区分に弁証(診断)を分けます
- 甲状腺機能低下症・貧血・レイノー現象・起立性低血圧・更年期症候群との鑑別を行います
- 問診により、寒さへの過敏性の背景因子を確認します
あなたの場合を、検査結果だけでなく原因の分類から見ていきます。
まず知っておきたい内容
悪寒・寒さへの過敏性は、他人よりも格別に寒がりで、エアコンの前や肌寒い日に寒気が続く症状です。同じ温度でも自分だけ寒かったり、周りが心地よいと感じる冷房で鳥肌が立ったりすることがよくあります。
検査で特に異常がない悪寒を、韓医学では陽気(陽氣)・衛気(衛氣)の不足や 気虚(氣虛)による表虚(表虛)と理解します。体を温め、温もりを維持する力が弱まった状態と考えます。ここでいう衛気(衛氣)とは、体表を巡って外部の冷気を防ぎ、温もりを守る防御膜のような気のことですが、これが弱いと、薄着や冷たい風でも簡単に寒気が入り込みます。
同じ悪寒であっても、どこが特に冷えているか、何に伴って現れるかによって原因が異なります。腎(腎)の陽気が弱いと、下腹部・腰・手足から冷え、脾(脾)の陽気が弱いと、消化器系とともに腹部が冷え、全般的な気(氣)が不足していると、疲れやすく寒さを感じます。 自律神経これが不安定で、冷え症と 冷や汗が交互に現れる場合もあります。検査で特に異常がないと言われたとしても、この温もりの不足を弁証(韓方医学的な診断)で診ることができます。
では、私の場合はこの悪寒はどこから来るのでしょうか。同じ寒がりであっても、どの臓腑の温もりが不足しているかは人によって異なります。そこで、「悪寒」という一つの症状の背後に隠れた4つの弁証タイプを見ていきましょう。
同じ症状でもこのように分かれます
特に寒がりであることは、どの臓腑の温もりが不足しているかによって、4つのタイプに分けられます。
腎陽虚型 (腎陽虛)
体を温める根本的な陽気が不足しているタイプです。腎(腎)の陽気が弱いため、手足や下腹部・腰が特に冷たく、産後や過労で腎陽が大きく消耗している場合が多く見られます。
アプローチの方向性は、根本的な陽気を温めることです。
脾陽虚型 (脾陽虛)
脾(脾)の陽気が不足しているタイプです。消化機能が低下し、腹部に冷えを感じ、冷たい食べ物で腹痛や下痢を起こしやすくなります。
アプローチの方向性は、脾を温めて消化の火力を高めることです。
気虚型 (氣虛)
全体的に気力が不足しているタイプです。疲れやすく寒がりで、低体重や気力の低下が顕著です。
アプローチは、気を補う方向になります。
営衛不和型 (營衛不和)
体を守る衛気(衛氣)と、内部を満たす営気(營氣)の調和が乱れたタイプです。自律神経が不安定になり、悪寒と冷や汗が同時に現れたり、環境の変化に敏感だったりします。
アプローチは、営気と衛気の調和を整える方向になります。
よくある誤解
「検査で異常がないので、ただ敏感なだけです」
感染症・甲状腺・貧血の検査結果が正常であるにもかかわらず、特に寒さを感じるのは、体を温め守る「陽気(陽氣)」や「衛気(衛氣)」が弱っているサインかもしれません。「異常がない」ということは、「原因がない」ということではありません。
「寒がりなのは、脂肪が少ないからだ」
痩せ型の方が冷えを感じやすいのは事実ですが、根本的な原因は温もりを作る力(陽気・気)の不足である場合が多いです。体重だけの問題ではなく、代謝や気力の問題と考えます。
「厚着さえしっかりすればいい」
保温は重要ですが、体の中で温もりを作り出す力が弱ければ、外側をいくら包み込んでも寒気が簡単に忍び込みます。内部の「火力」を合わせて診ることが、根本的な管理につながります。
「悪寒と冷や汗が同時に出るのは矛盾している」
寒さを感じながら冷や汗が出るのは、体を守る「衛気」と内部を満たす「営気」の調和が崩れた「営衛不和(えいえいふわ)」の典型的な様相です。矛盾ではなく、一つの不均衡のサインと捉えます。
このようにタイプを分けてみると、これまで当たり前だと思っていた冷えに関するいくつかの点が、少し違って見えてきます。診察室でよく見かける誤解から整理してみましょう。
似ていても確認すべき点
甲状腺機能低下症
冷えと疲労が共通していますが、TSH・Free T4検査で区別します。甲状腺が正常でありながら冷えが持続する場合は、自律神経性の冷えと考えます。
貧血
どちらも冷えと疲労を引き起こしますが、ヘモグロビン値で区別します。
レイノー現象
指先が白→青→赤へと変化し、痛みを伴うのが特徴です。単純な悪寒とは異なり、色の変化がある場合は別の疾患と考えます。
起立性低血圧
立ち上がった時のめまいが主症状であり、冷えは付随的な症状である場合が多く、両方が同時に現れることもあります。
更年期症候群
冷えとほてりが交互に現れる「営衛不和」が特徴です。ホルモン値が正常で自律神経症状が主となる場合は、更年期に関連した不均衡と考えます。
症状が似ていて混同しやすい他の状態との区別も必要です。以下は、その判断基準となるポイントです。
診察での確認事項
体感温度の評価と脈診(脈診)・腹診(腹診)」によって、腎陽(腎陽)」不足の程度を確認します。悪寒が現れるタイミング(季節・ストレス・産後)、冷えを感じる部位(手足・下腹部・全身)、随伴症状(消化不良・冷や汗・倦怠感)、背景要因(過労・回復期・痩せ型)を合わせて診て、タイプを区分します。
そのため、実際の診察では、症状の部位・発現タイミング・随伴症状を合わせて確認し、どのタイプの冷えであるかを判別します。
このようにタイプが整理されると、検査だけでは捉えきれなかった残りの症状や体質に合わせて、今後の方向性を一緒に決定していきます。
寒熱(かんねつ)の観点では、冷えの傾向が蓄積していく過程であると考えます。
- 循環・陽気の低下原因が蓄積
- 身体の調節機能がそれに追いつかない
- 冷え症・循環低下の症状として現れると考えます
診療での確認プロセス
次に、症状がいつ、どのように変化するかを確認します
同じ疾患名であっても、不快感の現れ方は異なる場合があるため、従来の検査結果と症状の経過を合わせて確認します。
弁証(べんしょう)
脈診と問診で症状を詳しく確認します
脈診と問診で冷えの傾向と随伴症状を確認し、現在の状態に合わせたアプローチ方向を説明します。
処方の方向性を決定し、服用後の変化を確認します
問診と診察で確認した内容に基づき処方の方向性を説明し、調剤および服用後の変化まで同じ院長が確認します。
診療・コンテンツ監修 Baekrokdamの診療基準
悪寒について、名称よりも経過をまず伺います
冷えが留まっている部位と回復速度、消化・疲労・睡眠、温度変化後の反応を合わせて確認します。同じ診断名であっても、身体の中で熱を作り分配する方法が異なるため、脈診・舌診・問診で確認した分類を韓方薬の処方と経過確認に結びつけます。
「検査結果だけでは説明できない不快感は、症状が始まった時から順を追って確認します。」
- 慶熙大学校 韓医科大学 卒業
- Baekrokdam韓国医学クリニック 代表院長
カウンセリングの前に
冷えが強い時間帯と部位、温めた時に効果が持続する時間、最近の検査結果と服用中の薬をメモしてください。
初診にて
一つの症状名だけで判断せず、発症時期・悪化要因・随伴症状を「寒熱(かんねつ)」の区分に分けて分析します。
治療を開始すると
不快感の強さだけでなく、頻度、回復時間、日常生活で変化した場面を基準に処方を調整します。




