口腔灼熱感症候群 · Burning Mouth Syndrome
舌・唇・口蓋がヒリヒリしたり、味覚に変化が現れたりする場合の、口腔灼熱感症候群の特徴、検査で確認する原因、診察で確認する項目についてご案内します。
まず確認すること
症状が始まった時期や悪化する状況、併せて現れる不快感を確認します。
併せて区分すること
似ている疾患や既存の検査結果を照らし合わせ、可能性を絞り込みます。
このページで確認すること
主要な様相と鑑別基準、診察での確認手順まで順にご案内します。
一般的な検査では、口腔粘膜の視診を行います。この症状は、心火(しんか)や陰虚(いんきょ)によって熱が舌に上る体質的な傾向である可能性があり、これを弁証(べんしょう)によって診断します。
韓国医学の診断は、病院の検査とは異なる視点から診ます。どちらが優れているということではなく、異なる観点です。
重要情報をひと目で確認
- 心火熾盛・陰虚火旺・肝気鬱結・脾胃湿熱の4つの区分に弁証を分けます
- 口腔カンジダ症、剥脱性舌炎、扁平苔癬、栄養欠乏性舌痛、舌癌と鑑別します
- 視覚的な異常がない灼熱感を、舌診などで確認します
あなたの場合を、検査結果だけでなく原因の分類から見ていきます。
まずに知っておきたい内容
口腔灼熱感症候群は、舌・唇・口蓋がヒリヒリしたりチクチクしたりし、苦味などの味覚変化を伴う症状です。見た目に異常がないのに痛みが持続する場合が多く、 口腔乾燥症・不眠・不安・更年期 症状と共に現れることもあります。熱いものを食べたわけではないのに、舌が常に火傷したようにしびれ、午後になるにつれてひどくなる傾向が一般的です。
韓国医学では 心火(心火)や陰虚(陰虛)による虚熱(不足による熱)が舌に上がってくるものと理解します。ストレスで気が滞って熱に変わる場合か、津液(しんえき:体液)の不足で虚熱が上がる場合に分けられます。
なぜ、あえて舌なのでしょうか。舌(舌)は古くから心(心)の芽(苗)と言われ、心の状態が現れる場所と考えられてきました。そのため、心に火(火)が盛んになると、その熱が舌、特に舌先に上がり、灼熱感や赤みとして現れます。また、舌は津液(津液)で常に潤っていることで快適に保たれますが、陰(陰)が不足すると舌が乾き、ヒリヒリします。ここにストレスで滞った肝気(肝氣)や消化器の湿熱(濕熱)が加わると、苦味やねばつく感じなどの味覚変化が共に現れます。
この症状は検査で異常が出にくいため、「異常なし」と言われて不安に感じる方が多いです。しかし、見た目の所見がきれいであることと、不快感がないことは別の問題です。Baekrokdam韓熱クリニックでは、見た目では分からない熱の背景を、舌診(舌診)を含む弁証(証の判定)で診察します。
では、私の場合は口の中の灼熱感はどこから来るのでしょうか。同じ灼熱感であっても、熱が生じる原因は人によって異なります。そのため、同じ症状の中でも4つのタイプに分けて考えます。
同じ症状でもこのように分かれます
灼熱感の背景となる熱がどの臓腑から生じたかによって、4つの区分に分かれます。
心火熾盛型(しんかしせいがた) (心火熾盛)
心(心)の火が盛んになり、舌に突き上げるタイプです。舌は心の芽であるため、特に舌先が赤くただれやすく、動悸や不安・焦燥・不眠を伴います。口の中が乾き、尿が濃い黄色になることもあります。
アプローチの方向性は、盛んな心火を下げていくことです。
陰虚火旺型(いんきょかおうがた) (陰虛火旺)
津液(陰)が枯渇し、虚熱が上がるタイプです。更年期の前後で口がひどく乾き、夜や夕方に痛みが強まり、手足のひらなどの熱感や寝汗が共に現れます。舌に亀裂が入ったり、舌苔が少なく赤い様子が見られたりすることもあります。
アプローチの方向性は、不足している陰を補うことです。
肝気鬱結(かんきうっけつ)型 (肝氣鬱結)
ストレスで気が滞ったタイプです。喉に異物感があり、感情の起伏によって痛みの強弱が変わり、ため息や脇腹の張りなどを伴うこともあります。痛みに意識を向けるとひどくなり、他のことに没頭すると忘れられるという特徴があります。
アプローチの方向性は、滞った気を解きほぐすことです。
脾胃湿熱型(ひいしつねつがた) (脾胃濕熱)
脾胃(脾胃)に湿(濕)と熱(熱)が溜まっているタイプです。脾胃(ひい)は口(口)とつながっているため、常に消化不良を感じたり、口の中で苦味やねばり気のある味が強く感じられたりし、舌苔(ぜったい)が厚く黄色くなるのが特徴です。脂っこい食事や辛いもの、飲酒後に悪化する傾向があります。
アプローチとしては、脾胃に溜まった湿熱(しつねつ)を下げる方向で治療を行います。
4つのタイプに分けて見ると、口腔灼熱感についてこれまで当然だと思っていたことが、少し違って見えてきます。まずは診察室でよく耳にする誤解から整理してみましょう。
よくある誤解
「検査で異常がないなら、気のせいか、仮病だろう」
口腔灼熱感症候群は、見た目の所見はきれいであるにもかかわらず、実際に痛みが持続する代表的な状態です。「見えない」ことは「ない」ということではなく、熱の背景を弁証(べんしょう)によって見極めることができます。
「舌が痛いのだから、絶対に口内炎(口の中のただれ)だ」
口内炎は潰瘍という見た目の病変がありますが、口腔灼熱感症候群は粘膜が概ねきれいな状態で、ヒリヒリとした痛みだけがあります。白苔、潰瘍、網目状の模様などの変化が見られる場合は別の疾患である可能性があるため、まずは鑑別が必要です。
「口が乾くから、水をたくさん飲めば治る」
水を頻繁に飲んでもその場限りで、根本的に解消されない場合が多くあります。陰虚(いんきょ)により津液(しんえき)を作り出す力自体が弱まっている状態であれば、水分摂取だけでは限界があるため、原因となるタイプを検討しなければなりません。
「辛いものをやめればすぐに良くなる」
脾胃湿熱型であれば刺激物を控えることが助けになりますが、心火(しんか)や陰虚が背景にある場合は、食事制限だけでは限界があります。タイプによって管理の方向性が異なります。
見た目に異常がない点は口腔灼熱感の特徴ですが、似ていて混同しやすい他の口腔疾患との鑑別が必要です。以下は、その判断基準となるポイントです。
似ていても確認すべき点
口腔カンジダ症
真菌感染により舌に白い白苔がつき、拭き取ると赤い地肌が現れます。免疫力が低下している場合に多く見られます。
剥脱性舌炎(地図状舌)
舌の表面が地図のような形で剥がれ、ヒリヒリします。見た目に粘膜の変化がはっきりしている点が異なります。
扁平苔癬(へんぺいたいせん)
口腔粘膜に網目状の白い線が現れ、痛みを引き起こす自己免疫関連の疾患です。
栄養欠乏性舌痛
貧血やビタミンB群の欠乏により、舌の粘膜が滑らかになり痛みが出る場合で、栄養補給を併せて行う必要があります。
舌がん
治りにくい潰瘍や硬いしこりが触れるのが特徴であり、口腔灼熱感症候群は見た目の粘膜が概ねきれいです。
そのため実際の診察では、見た目に異常がなくても、体が出している信号を合わせて読み取り、タイプを判別します。
診察での確認事項
舌診(舌診)・腹診(腹診)・脈診(脈診)を合わせて確認し、見た目に異常がなくても、変証(韓方医学的な診断)によってタイプを分けることができます。痛みの部位(舌先・舌全体・口蓋)、味覚の変化(苦味・ねばつき感)の有無、発現する時間帯(午前/午後)、感情や食べ物との関連を確認します。舌の色や舌苔の厚さと色を観察し、心火・陰虚・湿熱の傾向を区別します。
このように4つのタイプに整理されると、見た目に異常がなくても、舌に現れた熱の原因を特定でき、それに合わせて今後の治療方針を決定します。
寒熱の観点からは、熱がこみ上げる原因が蓄積していく過程であると考えます。
- 熱がこみ上げる原因の蓄積
- 身体の調節機能がそれに追いつかない
- 上熱(じょうねつ)や乾燥などの症状として現れると考えます
診療での確認プロセス
次に、症状がいつ、どのように変化するかを確認します
同じ疾患名であっても、不快感の現れ方は異なる場合があるため、従来の検査結果と症状の経過を合わせて確認します。
弁証(べんしょう)
脈診と問診で症状を詳しく確認します
脈診と問診で熱証(ねつしょう)の傾向と随伴症状を確認し、現在の状態に合わせたアプローチ方向を説明します。
処方の方向性を決定し、服用後の変化を確認します
問診と診察で確認した内容に基づき処方の方向性を説明し、調剤および服用後の変化まで同じ院長が確認します。
診療・コンテンツ監修 Baekrokdamの診療基準
口腔灼熱感症候群、病名よりも経過をまず伺います
熱感が出始める時間・部位と、汗、喉の渇き、睡眠、緊張後の変化を合わせて確認します。同じ診断名であっても、体内で熱を作り分配する方法が異なるため、脈診・舌診・問診で確認した分類を韓方薬の処方と経過確認に結びつけます。
「検査結果だけでは説明できない不快感は、症状が始まった時から順を追って確認します。」
- 慶熙大学校 韓医科大学 卒業
- Baekrokdam韓国医学クリニック 代表院長
カウンセリングの前に
熱が上がる時間、食事・睡眠・緊張との関係、最近の検査結果と服用中の薬をメモしてください。
初診にて
一つの症状名だけで判断せず、発症時期・悪化要因・随伴症状を「寒熱(かんねつ)」の区分に分けて分析します。
治療を開始すると
不快感の強さだけでなく、頻度、回復時間、日常生活で変化した場面を基準に処方を調整します。




